ヤッター君

家族との同居から一人暮らしを目指す、ヤッター君の例

ヤッター君は現在32歳。障害基礎年金を受給しながら両親と共に暮らしています。これまで日常生活は、両親に助けてもらい、家事といえば自分の部屋を片付ける程度。お金もお小遣いをもらって生活しており、特にふだんの生活では不自由に感じることなく暮らしていました。しかし、この度、ヤッター君のお父さんが体調を崩し2か月遠方の病院へ入院することになりました。この間お母さんも、お父さんの付き添いで宿泊することになり、家を留守にすることが多く、ヤッター君は身の回りのことを自分ですることになりました。はじめは、入院しているお父さんの心配をしていたヤッター君。しかしその心配は、徐々にお父さんから自分の心配に変わっていきます。すぐに困難がおとずれました。食事は渡されたお金で弁当を買って食べていましたが、特に配分を気にせず好きなものを買っていたため、すぐに残金がわずかになりました。洗濯機の使い方がわからず、同じ服を着るようになり、朝はおこしてくれる人がいないため、寝坊をし生活が乱れてきました。家には時々お客さんが来ます。新聞代金の集金だったり、回覧板がまわってきたり・・・ しかしヤッター君はどうすればいいかわかりません。今回は時々お母さんが帰ってきたことで難を逃れましたが、でも、ヤッター君は今回の体験で考えました。自分自身の生活力について。これまで将来のことを、あまり考えてきませんでしたが、今回の体験を機会に家族と話し合い、将来家族のもとを離れて暮らすことを想定し、訓練を始めることにしました。訓練目標は、@家事や生活に必要な管理等を覚え生活力をみにつけること A今回の体験からお金の大切さを身にしみたため、今は自信がないけれど、働くための準備ができることを考え、あそしえでの生活訓練に取り組むことになりました。

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生活訓練課程

あそしえでの生活訓練の取り組み

 

あそしえでの生活訓練では、ヤッター君とよく話し合い、少しずつ確実なステップアップを目指して訓練することになりました。訓練の内容には、軽作業や清掃や洗濯等の家事訓練について、1つの労働として捉え、毎日行うことで、習慣化し向上へ、自分で出来るように進めて行きます。あそしえの訓練は、全ての訓練を皆が実施していくのではなく、確実にできる内容については、訓練を終了していき、その分ほかの苦手分野や継続することに意味がる訓練へ集中させていきます。これまで調理は全くやってこなかったけれど、献立や買い物への学習と実践、調理はその人のレベルに応じて3コース(初級調理(調理スキルがあまりなくても出来るもの)・短時間調理(朝・昼等短時間でできるメニュー) 一般調理)と別れており、自分にあったところからすすめていきました。また、毎週、生活のための学習機会や模擬訓練の場があり、講座のなかでお金の使い方や、自分の生活に必要な手続き、乗り物の乗り方、社会マナー等が学べました。ヤッター君はこういった講座のなかで、初めて自分が受給している年金の金額を知ることになり、改めてお金の大切を知るきっかけになりました。また、地域には多くの社会資源があり、訓練をしても、どうしても苦手な部分については、助けてもらえるところがあることもわかり、気持ちのなかにも1人で暮らすことへの不安も減っていきました。そして2年後・・・ ヤッター君はスムーズに1人暮らしへ移行することができました。また軽作業を続けてきたことで、就労への準備も出来ていた為、地域にある就労事業所で働くことも始めました。